オンナの人の髪がキレイだと人目を惹くし、
人となり、性格の良し悪しなんてのも
言葉の端々から(声だけでも)伝わってくる。
ふとした時に、さり気なく男心をくすぐったりして。
どんなオンナの人でも、寝る間を惜しんで身を削りながら
フツーは耐えられないことまで耐えられるのは、
ただただ「恋」のためなんだろうね。
まったく、色恋はどれだけ
人の奥底にまで根を張っているんだろう。
ほとんどの快楽は、なんとか断ち切れそうなのに
中でもただひとつ止め難いのが、恋の迷い。
年を重ねても幼くても、徳が高くても低くても
関係ないみたい。
だから、オンナの人の髪で編んだ綱は大きな象も繋げられて、
オンナの人が履いた下駄で作った笛は
秋の鹿が必ず近づいてくるっていう言い伝えがあったりね。
自分自身、心に留めて、恐ろしいほど慎重にならなければ
ならないのは、この迷いなんだろうな。
【 原文 】
女は髪のめでたからんこそ人の目立つべかんめれ
人のほど 心ばへなどは
もの言ひたるけはひにこそ 物越しにも知らるれ
ことにふれて うちあるさまにも人の心を惑はし
すべて女のうちとけたる寝ヰもねず
身を惜しとも思ひたらず
堪ふべくもあらぬわざにもよく堪へしのぶは
ただ色を思ふがゆゑなり
まことに愛著(あいぢゃく)の道 その根深く源遠し
六塵の楽欲多しといへども みな厭離(おんり)しつべし
その中に ただかの惑ひのひとつ止めがたきのみぞ
老いたるも若きも 智あるも愚かなるも変る所なしと見ゆる
されば女の髪すぢをよれる綱には大象もよく繋がれ
女のはける足駄にて作れる笛には
秋の鹿必ず寄るとぞ言ひ伝へ侍る
自ら戒めて恐るべく慎むべきはこの惑ひなり
<所感>
前段で男の性を書いていたときと違って
女性が話題の時は、距離をとってるかんじなので
「オンナの人」にしてみました。
もっと生々しく語る人は
例えば明恵上人を思い出したりします。
まぁね、この段も「女性が話題」になっているだけで、
返信削除オンナをネタにした「男の性」の話なわけだよなぁ…
どうもスケベなオヤジってのは、自分のスケベは自覚しているけれど、
オンナの気持ちでモノを捉えることに、距離があるっていうよりも、
感受能力に欠けているんじゃないかと…身勝手な話だよなぁ(笑)
to:帰山人さん
返信削除確かに女性のことよりは
男(自分)の内面を見ていたみたいですね。
女性との関わり具合も気になるとこですけど。
それからなんとなく、兼好自身の
若いころのような気もしました。