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「徒然草」の自分勝手な現代語訳(意訳)を中心に、ときどき自分の日常もつれづれます。

この嘲弄の上に乗ってふわふわと高い瞑想の領分に上って行くのが自分には大変な愉快になった。 硝子戸の中(夏目漱石)

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2011/12/13

【徒然草】 第九段

オンナの人の髪がキレイだと人目を惹くし、
人となり、性格の良し悪しなんてのも
言葉の端々から(声だけでも)伝わってくる。
ふとした時に、さり気なく男心をくすぐったりして。

どんなオンナの人でも、寝る間を惜しんで身を削りながら
フツーは耐えられないことまで耐えられるのは、
ただただ「恋」のためなんだろうね。

まったく、色恋はどれだけ
人の奥底にまで根を張っているんだろう。
ほとんどの快楽は、なんとか断ち切れそうなのに
中でもただひとつ止め難いのが、恋の迷い。

年を重ねても幼くても、徳が高くても低くても
関係ないみたい。

だから、オンナの人の髪で編んだ綱は大きな象も繋げられて、
オンナの人が履いた下駄で作った笛は
秋の鹿が必ず近づいてくるっていう言い伝えがあったりね。
自分自身、心に留めて、恐ろしいほど慎重にならなければ
ならないのは、この迷いなんだろうな。


【 原文 】
女は髪のめでたからんこそ人の目立つべかんめれ
人のほど 心ばへなどは
もの言ひたるけはひにこそ 物越しにも知らるれ
ことにふれて うちあるさまにも人の心を惑はし
すべて女のうちとけたる寝ヰもねず
身を惜しとも思ひたらず
堪ふべくもあらぬわざにもよく堪へしのぶは
ただ色を思ふがゆゑなり
まことに愛著(あいぢゃく)の道 その根深く源遠し
六塵の楽欲多しといへども みな厭離(おんり)しつべし
その中に ただかの惑ひのひとつ止めがたきのみぞ
老いたるも若きも 智あるも愚かなるも変る所なしと見ゆる
されば女の髪すぢをよれる綱には大象もよく繋がれ
女のはける足駄にて作れる笛には
秋の鹿必ず寄るとぞ言ひ伝へ侍る
自ら戒めて恐るべく慎むべきはこの惑ひなり


<所感>
前段で男の性を書いていたときと違って
女性が話題の時は、距離をとってるかんじなので
「オンナの人」にしてみました。
もっと生々しく語る人は
例えば明恵上人を思い出したりします。

2 件のコメント:

  1. まぁね、この段も「女性が話題」になっているだけで、
    オンナをネタにした「男の性」の話なわけだよなぁ…
    どうもスケベなオヤジってのは、自分のスケベは自覚しているけれど、
    オンナの気持ちでモノを捉えることに、距離があるっていうよりも、
    感受能力に欠けているんじゃないかと…身勝手な話だよなぁ(笑)

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  2. to:帰山人さん

    確かに女性のことよりは
    男(自分)の内面を見ていたみたいですね。
    女性との関わり具合も気になるとこですけど。
    それからなんとなく、兼好自身の
    若いころのような気もしました。

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